WOLF PACK【コミックス版】 (ダリアコミックスe)

ビリー・バリバリー先生の美麗な絵を堪能するのにはこの作品以上はないと言っても過言ではない美しさです。人間世界から離れた、山深くに暮らす狼たちの群の小さな世界観に浸れました。最初、アルファやベータという単語が出てきたので、まさかのオメガバかと思いましたが、全然違います。普段見ているオメガバのアルファやベータ、オメガとの関係性ではなく、今作ではあくまで序列でのみ表現される概念。なんだか新鮮でした。狼たちの気高さと、絆の深さ、そして一族を背負う重みなど、サラッと描かれてはいますが深く浸透してくる説得力のある表現も良い。谷の長であるガルムは野性味があって雄っぽいイケメンで、湖の長であるハティは雪と同化しそうなほど真っ白で、気高くて強いのに儚げで美しい。言葉では描かれていませんが、ガルムが全身でハティへの愛を物語っていて非常に萌える。狼の話だから、もっと野性的で本能的かと思いましたが、とても理性的で、相手を敬うことを第一とする距離感にグッときました。エロさはほとんどなく、キスと肌を弄る程度。それだけなのに、ほんの数ページのやりとりがめちゃくちゃエロく見えたし、色気がとにかく凄い。エロなんてなくても、色気がありすぎるガルムとハティを堪能させていただき、大満足。この美しい世界観にずっと浸っていたくなりました。ラブラブになったガルムとハティの話も読みたいです。